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旅行記事

インド1

5:00 am、デリー到着。印を組んだような手のオブジェが出迎え、信仰の国の予感。

いきなり最初の目的地へ移動手段の用が分からず狼狽する。ガイドマップを見るとバス又はタクシーとある。さっそくバス乗り場にむかうと、英語表記の皆目なさ加減に不穏を感じる。チケットを販売する案内らしき人がいるものの、何故か僕の片言英語はほとんど通じなかった。マップで目的地を差し示しても、What?って具合を傍目に英語上級者はサクサクチケットを購入してバスに乗りこんでいく。Oh~, No~! 移動には3.4時間を要するらしく、こんなんで行き先も降り口もあやふやなままバスに乗りこんでいいんか?ということでタクシーに変更。

インドのタクシーはぼったくりとトラブルが多いと評判だが、プリペイドタクシーという、ドライバーとは直接お金のやりとりをせず、別の窓口で行きさきまでのチケットを先に購入するシステムを利用する。しかも空港内で管理しているチケット売り場なのでまず安心であろうと並んでいると隣の「HOTEL」の窓口のおっさんが、こっちでも買える、と自分をめがけて話しかけてくる。意味も分からないまま話を聞くと、こっちのタクシーの方が綺麗で質が良い、となりは汚い、チープだ、と主張してくる。What?(なんですと?)しかもおっさん、聞こえる声で正規の商売をこきおろしておいて、そのあと普通に隣同士で会話しているのだ。どちらもgovernmentって書いてあんですけどどどどど、、、、。早くもこの国にお墨付きという防壁さえ脆くスカスカなものを感じる。いちおう値段を聞くと4900Rs(日本円≒8820円)、正規のタクシーチケット売り場では4500Rs(8100円)。案外安くないのも距離にすると160km、地図で見ると隣の県に移動するぐらいの感覚だったのが実際は2倍近く、東京-長野ぐらいの距離である。しかも帰りは乗る乗らずに関わらずタクシー往復分の料金が計上されている。この距離感の勘違いは、すべての目的地をタクシーで移動していたら、それだけで結構な金額になってくる、し、目的地をタクシーで快活に渡り歩ってもつまらない。旅の醍醐味を味わう意味でも、目的地の順序をかえ電車に乗ることに決着した。まずはアーグラを目指す。

アイコンを頼りに駅につくと、ここがデリー駅ではく、空港駅であることが分かった(素人。恥。。)。まずはニューデリー駅に行け、ということで地下鉄のチケットを買う。電子コイン式でハイテク設備の充実さと、ようやく始めの一歩を踏み出せたこの電車という交通手段に光明を見いだしたのも束の間、ニューデリー駅についてその安堵も軽くふっとぶ。(ここはどこの世紀末じゃ・・・)

薄暗い朝靄のなか、人混みと光線の交錯。閑散とした地下鉄と地上とのこの温度差は嘘だろうと目を疑いたくなる豹変ぶり。タクシーの客引きを除けながら駅につくと行き先の案内板に英語表記がまるでない。まじかー。これではバス乗り場の二の舞である。軽く見なかったことにして、デリー駅がまともであることに希望を託し、徒歩で向かう。

初めての国であるのだからまずは雰囲気や空気になれようと、歩きながら高揚していく気持ちをばっちり裏切らない、数歩あるけば次々と衝撃が出迎える、悪臭汚臭、クラクションの喧騒、犇めく道路、噂に聞く牛の闊歩のみならず、野良犬・野良猿・野良豚、路端の糞尿、落ち葉の如く敷き詰められたかのようなゴミ、地表を舞う土埃、蜘蛛の巣のように頭上を覆う電線たちの荒廃ぶりはところ構わず加速して、その無機質で異様な空気にカメラを1つ構えるのさえ背中に冷たいものを感じた。とはいえ、徐々に日も射し、街も明るくなるにつれ、人々は落ち葉のように大量のゴミを掃き寄せ、商売の準備、水場では歯磨き、1日の始動とともに、顔にも光が含まれていくかのような柔らかさを帯び、さっきまでのあの異様な空気はなんだったのかとおもう。

それにしても、デリー駅がなかなか見えてこない。まあ、道に迷ったことは迷ったのだけど、地図のスケールがどうも違う気がする。寺院らしきものが見え、案内に確認してなかに入る。モスクというやつで、基本入るのが自由。なので住人がなかに居座り、こちらをジロジロ見ている。靴を脱ぎ、快調に写真を撮っているとすかさず呼び止められ、写真は有料、看板を指さしながら300Rsを要求された。靴を預かる、更に200Rsという。身振り手振りと金への執着がどこか必死だ、怪しい。。。これで寺の職員か? No、といって400Rs渡すと、少し反駁ながらも満悦顔。ほぼ黒かと思っていると、受付が一人ついてきて勝手に説明、勝手にカメラを奪いこちらに向かって撮影。400Rsで気をよくしたかバカめ、と思っていると再び200Rsを要求された。(バカは俺だった。。。)

約2km表記のデリー駅に1時間半かかってようやく辿り着いた。期待したデリー駅もニューデリーと見た目はほぼかわらなかったが、かろうじて英語表記のアーグラの文字を見つけたはいいものの、既に出発時刻を過ぎていた。思考停止に佇んでいると、幸いにも日本人がいて親切に話しかけてきてくれた。経由便もあるかと思い、彼がかわりに周囲のインド人に聞き込みをしてくれている。なんとも頼もしい。が、目的地への電車はやはり1日1本らしい、また明日朝だねー、という。ここで1日潰すのはもったいない。もしかするとニューデリー駅ならまだ便があるかもしれない、と戻ることにする。


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