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旅行記事

インド6

昨日の夜は暗くてよく見えなかったが、ホテルのすぐ近くに巨大な深井戸があった。あらかじめ是非とも見たかった建築と思いがけない場所で遭遇。朝の散歩で足を運ぶ。幸い乾期のため水がほとんどなく全貌をほぼ眺めることができた。これほどの大空間が、景観を阻害せず目下にあるというのがおもしろい。気軽に情報を即一望できるあたり建築として公共性のポテンシャルが高い。底のほうは緑色で覆われていた。あとで今も井戸として使われているか聞いてみると、現在はプールとして利用されているという。なんと、街のど真ん中にどでかいプール!過去の遺産はプールとしてリ・プログラムされ、今は市民の憩いとして甦っているのがなんとも素晴らしい。実用されているところも見てみたいものだ。

次いで、本日は近くのクリシュナテンプルを見る。この寺院は珍しく撮影・通信機器等の持込み厳禁だった。入口から既に妖しげな人形がちらつく。ボディチェックを受け、いざなんぼのもんじゃと入ると狂気と妖艶と喜劇のような奇界。クリシュナという神自体そもそも顔色が青く、笛使い(楽器をあやつる神というのはアポロンもそうだがどこか人を惹きつけ色気が漂う。)。礼拝の姿勢も崇高を讃える雰囲気とはまた違い、どこか崇拝ぶりが別の意味で本気、というかカルトっぽさビンビン、花びらばら撒いたり、祭壇も一段と煌びやか、香煙なんかも浅草寺でやるそれとは趣向が異なり、頭で浴びるというよりもはや吸わせている感じだ。礼拝堂では拝み過ぎておじさん完全にうつ伏せになる始末、寝ているようでこれぞ拝みの最終形か(危うく踏んづけかねないよ。。。)。

プラスチックで造形されたクリシュナ桃源郷のような巨大なオブジェに3Rsで入れるらしく早速チケットを購入するが、釣りが少ない。釣りのちょろまかしは日常的だが、お前神に仕えてるちゃうんかアゲイン。中はディズニーのアトラクションのようだった。撮影ができないのでスケッチをしていると、機関銃を携帯するポリスにスケッチもダメだといわれ即やめる。銃口が近いと言葉の迫力が違うぜ。

この辺りはマトゥラーと呼ばれヒンドゥの化身クリシュナ生誕の地でありながら、イスラムの狭間でその影響を色濃く受けているらしい。他にもいくつか寺院を廻って見たが、どれも建築的に見応えがある。なかなか満腹のところ、徒歩でどこかに向かうのを黙ってついていくと、見えてきたのは川!

そう、ここはクリシュナ生誕の地のみならずヒンドゥの7大聖地、ヤムナー川と呼ばれるガンガーの支流、ガートと呼ばれる沐浴場のある巡礼地、なのだそうだ。川辺におりていく階段状のガート、たゆたう舟、火葬の臭い、人、動物、ゴミ、寺院、緑、そして神、全てを混濁にまぜあわせ呑みこんでいく広大な河のうねり。せっかくなので無論沐浴。

帰りはニューデリー方面のバスを案内され、それに乗り込んだ。ケイサールとはここで別れ、終着で下車したらオートリキシャーを拾ってニューデリーへ行け、オートリキシャーで8km150Rs程度、バスでは絶対寝るな、何も食べるな、と最後のアドバイスをうけた。バスは129kmが129Rs(232円)と破格の運賃。日はすっかり落ち、乗客全て見知らぬインド人のなかボロボロのバスに4時間近く揺られ続けるのはなんとも心さびしい。バスは搭乗以外バス停もアナウンスもなく、乗る場合は手をあげてバスを止め、下車は係りに声をかける。

終着につくと、オートリキシャーのドライバーが次々と群がって声をかけてくる。相場の150Rsで話すと500Rs!けっこうな旅行者の足下を見てくる。200Rsの声かけに450Rsという感じ、面倒なのでおとなしそうなドライバーにするか、と去ろうとするとあっさり200RsでOKになった。アートリキシャーに乗ると、運転が荒い上そもそもラフな乗り物で、扉もなくシートが滑るので棒に捕まってないと振り落とされそうになる。着いて500Rsを渡すと、釣りが250Rs(コラコラコラコラ)。釣りはごまかすのが基本のようだ。オートリキシャーにも実はメーターがついている。見ると7km程度で110Rsだったような(メーター通りでごねないわけがないし、降りるときにもめるのはお互い気分が悪いので、金額の安さを考えると先に決めておいた方が快適に乗れる)。

時間も遅くなったので適当な屋台で食事をとると、今までの中で一番うまい。ちょっと危ないぐらいが隠し味とみた。宿は疲れていたので適当に探す。ゲストハウス400Rs(720円)。外側に窓がなく、廊下側がつうつう、まあこんなもんでしょう。


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