旅行記事

スペイン 1

 予定より30分程遅れてスペインプラット空港に到着。飛行機の小窓から外を見下ろすと艶めかしく濡れた光が散りばめられている。出発前に珍しく傘を携帯したが為に雨が降った気がしてしまう、登場すると使用を余儀なくされるチェーホフの銃だろうか。時計に目をやると24時を過ぎていてどれほど飛行機が遅れたのか、市内・ホテルへのバスや電車がなくなるかと焦った。モスクワを経由したので時計がまだ現地時間になってなかったというオチだった。とはいえ現22:35。日本時間の時計を見ると出発13:10、今は18:00を指している。つまり時計は一周半、17時間の移動!うひぃ~。良く凌いだわ。とりあえず気を落ち着かせまずは渇いた喉を潤す為ショップで水を買う。相手はスペイン語で来た。当然だ。無理だ。英語で返す。う~ん、通じているのだろうか。まあ何処もこんなもんだ。よし、まずはゴートゥー市内。バスに乗ろう。ガイドブックを頼りに進むとスルスルと搭乗出来た。いつも空港から市内に向かう閑散とした風景から、その国らしさへとグラディエートしていくなんとも言えぬ高揚感が海外旅行の通過儀礼になっている。不安と期待が入り混じる。この感覚にまた会えたことに嬉しくなる。街を歩くと歩く道、すれ違う人、街並み一つ一つへの観察と危険と好奇心への嗅覚が日本にいるのと桁外れになる。自分で自分の身を守り、身体一つで地を踏みしめていく。仕事もプライベートも日常の茶飯も忘れ、ただ知らない街での知らない風景、知らない出来事が流れては、忘れられない何か残していく。全てを忘れ、また思いだすときのためここにいるかのようだ。忘却と追憶の日のために。


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