top of page
旅行記事

スペイン 5

 朝。チェックアウトを済ませようと管理人室のドアを叩くと、マスク姿の店主嫁登場。なになに、マスクしてるやないかっ!う~ん。まあいいや。

 で、まずは地下鉄に乗り込みバスターミナルに向かう。今日は世界遺産でもある古都トレドに日帰りで向かう。日本人グループも同乗している。下調べでは電車で30分というのもあったが、多少時間が延びても何せバスは楽だ。到着1時間ぐらい?45分ぐらいしてバスが停車する。到着?休憩?みんな手ぶらのご様子なので休憩か?運転手が降りろ、降りろ、ってな感じのジェスチャー。Rest?と聞くと頷いている。無理矢理降ろされた感のまま、とりあえずトイレでもいくかと人の流れについていくと、バスが何やら動き出してるではないか!しまった、荷物がバスの中に。皆手ぶらなのは、もともと手ぶらだったのだ。急いでバスを追いかけると、水溜まりで激しく転倒。Wait! Wait! と大きく手を振り全力で追いかける。途中信号待ちがあれば何とか追いつけるかと、必死の全力疾走姿に何とか気付いてもらえたか、バスが止まってくれた。はぁ、助かった。レギンスが破れ、膝と肘が血だらけだ。擦り傷とか何年ぶりだろう。ジンジンする。カメラもややクラッシュ気味、フォーカスが出来ない。異国で荷物をロストする恐怖を一瞬階間見たよ。

 トレドは見たいものがあるというより、街並みが世界遺産に登録されているように、建築物以外にも街並み、そこに定着する現地の営みを味わうのも好きだ。、まずは中心地を目指し、地図を頼りにターミナルから南に向かうつもりが北に行ってるではないか。ヤベーな。ヨーロッパの都市は、日本と違い、フランスもそうだったがとにかく道が縦横無尽に張り巡らされている。日本のように碁盤目状、東西南北を意識した区画整備されている感はなく、南面至上主義というか、そもそも都市計画の論理が違うのだろう。言い訳はさておき、トレド中心に向かっていくなか、とにかく坂が多い。そして路地。地面は石畳。いいなぁ。建物の外壁、石貼りにも所々様々なパターンが施されていて手造り感にグッと心を惹かれる。カテドラルを見てからトレド全体をぐるっと周遊する。トレド端方に出て俯瞰して見るとたしか写真で見たようなアングルだ。街並みといっても半球状に密集した鳥の巣というか要塞のようだ。島・谷・川・その向こうにまた山。巨大な重層。以前どこだったか奈良?香川?ダウンジャケットにキャリーバッグを引き摺り、山間の渓谷に鷹が飛んでるのを見たっけ、というフラッシュバック。もう記憶が朧気なのに、風景がそれを呼び起こすのだ。覚えていないのに、確かな感触がある記憶の揺らぎ。

昼食を適当な店でとり、カウンターに座ると、、座ると、ついついビール。そしてタパス。そしてビール。馬ー。

 次は一旦マドリッドに戻り、再びバスでコルドバ。次は5?6時間?隣の席の人が話しかけてきた。が、英語が全然話せないようだ。翻訳機で何とか意思疎通が出来た。コルドバが初らしい。停車のタイミングが分からないので、到着したら僕が知らせることになった。すると安心してバッグからポテトチップスを取りだし、美味しそうな音をたて、人目を憚らず食べている。若さ!なんかいいなぁ。お礼かなんか?残りの1/5ぐらいを僕にくれた。若さのお裾分けだ。コルドバに着くと雨。時間は21時。いきなりホテル探しもつまらないので、キリストの灯火という場所に寄っていく。ナビ通りにグングン進んでいくとグングン路地に入っていく。うわぁ路地だぁ。路地好きぃ。路地だけの写真集とか出したら売れるんではないだろうか。下世話な話はさておき、海外に行くと狭い路地がとても多い。日本の現行法では、特別な場所でもない限り、このような狭い路地は存在し得ないのだ。ヨーロッパにはその特別な場所というのが適用されやすいのか、新築があまりないあたりもそのポイントだろう。で、路地をグングンすり抜けていくと、新たな路地、路地を曲がるとそこにもまた新たな路地、路地to路地。周囲は壁がせまり、ひたすら路地を突き進んでも新たな路地と壁で視界は遮られていく。う~む。路地にも限度があるとうか、何事にも閾値があるというか、路地もあまり過度をいきすぎるとラビリンス。しかもこれだけ壁に阻まれ、しかも直線的に整備されているとこれはただ道の狭い住宅街。日常があるから非日常の闇が照らされるように、路地も整備されたメインストリートがあるからこそ、そこに秘められた独特の時間や空気感が輝くのだ。

 キリストの灯火に着くと、キリスト・マリア像を奉り、雛壇状に神父、そして大量のローソクとお香が焚かれている。これは日常的に行われているのだろうか。ローソクに灯されていく街並みは幻想的だ。

 さて、そろそろメスキータ付近でホテルを探す。雨がちょっと強くなってきた。携帯の充電がやばい、いったん電源落とし、たしか真っ直ぐ行って川に突き当たったら右。と唱えながら、歩くこと20分強。迷った。完全に迷った。やむを得ず雨宿り、バッグから充電器と電池でしばしチャージ。電源ONすると、何故か目的地と反対方向に遠ざかっていたYOー!くたくた。漸くホテルに辿り着き、今日はシングルルームに泊まろうかと空室確認、50€。イエス、イエスっで35€釣り?安す過ぎでは、と思ったらあらまっ、英語が通じてなかったみたい。ドミトリーに通されたYOー!今日はたくさん歩き、疲れてぐっすり寝たいのだけど、同室の外人の鼾がステレオ並。ぐはっ。


最新記事
タグ検索
まだタグはありません。
ソーシャル
  • Facebook Classic
  • Twitter Classic
  • Google Classic
bottom of page